約 14,823 件
https://w.atwiki.jp/seisoku-index/pages/18.html
アンチスキル・黄泉川部隊本部――。黒子「DNA鑑定は出ましたの?」黄泉川「いや、まだじゃん」トレーラー型の装甲車の中に設けられた臨時の司令部。そこに、黄泉川や複数の警備員たちがいた。そんな中、1人学生の身分である黒子は、デスクで出されたお茶を飲みながら黄泉川に訊ねた。黒子「一刻でも早く御坂美琴を見つけないと気が済みませんの。出来うるなら科学部隊の方に伝えてくれません? 早くしてくれ、と」黄泉川「そう焦るな。焦ったら捕まえられる犯人も逃してしまう」黒子「でも……っ!」黄泉川「本来ならこれは我々アンチスキルの仕事じゃん。お前は“奴”に詳しいから学生顧問として協力してもらってる。何か不満でもあるじゃん?」黒子は苦虫を噛み潰したような顔をする。黄泉川「奴を捕まえるのは私に任せろ。何があっても、アンチスキルの誇りにかけて御坂美琴を捕まえる。お前はとにかく冷静になるじゃん」黒子「………………」ブツブツブツブツ…そうアドバイスした黄泉川だったが、黒子は俯いてブツブツと唱えていて聞いていなかった。黄泉川「………………」そんな黒子を横目で窺い、黄泉川は手元にあった資料を眺めた。そこには、美琴の写真と共に『殺害優先』という文字が添えられていた。黄泉川「(ふん、御坂美琴……今まで幾人もの極悪犯罪者を捕まえてきた私の手から逃れられるとでも思っているのか? ならお前に、現実を知らしめてやるじゃん)」黄泉川は、この状況を面白がるように笑みを浮かべた。 学生たちが下校のためにパラパラと街に現れ始める頃、上条と美琴は今までいた学区の端の方まで来ていた。上条「このまま街を抜けて郊外を突っ切って、次の学区に行こう」上条は後ろを振り返り言う。上条「ん? あれ? 御坂?」背後にいたはずの美琴がいない。上条「おい、御坂!?」上条は、焦るように辺りを見回す。上条「あ、あんな所に……」すぐに美琴は見つかったが、彼女は上条から後方10m辺りをトボトボと歩いていた。急いで上条は美琴の元に駆け寄る。上条「何やってんだよお前。見失ったら大変だろうが」美琴「………………」が、彼女は顔を上げようとしない。上条「とにかく、このまま街を抜けて郊外を突っ切ろう。夜までには次の学区に行けるだろう」そう言って上条が前に向き直した時だった。美琴「………やだ」上条「は?」上条は思わず振り返る。 美琴「………………やだ」美琴が呟く。美琴「………やだ」上条「お前何言って……」美琴「疲れた」上条「え?」美琴「疲れたの! もう歩けないの!」上条「な……ぁ!?」美琴「もうクタクタ……。朝からずっと歩きっぱなしなんだもん……」まるで親に拗ねる子供のように美琴は愚痴を吐く。上条「それは、仕方ないだろ?」美琴「仕方なくない!! あっちの道に行ったらアンチスキルがいるから遠回り。こっちの道へ行ってもアンチスキルがいるから遠回り。そんなんばっかりで全然進めてないし、もう疲れたの!!」上条「お前、自分の置かれている状況ぐらい分かるだろ? 俺たちは一刻でも早く先に行かなきゃならねぇんだ」美琴「やだ! 休みたい!!」上条「おい、わがまま言ってんじゃねぇよ!!」美琴「………!」上条「!」少し苛立ちを覚えた上条が怒鳴ってしまったためか、美琴は驚くように彼の顔を凝視した。 美琴「………」ウルッ美琴の目が涙目になる。上条「………いや、だから……とにかく今は急がなきゃならないんだよ。そこだけは分かってくれよ……」美琴「………ごめんなさい」上条「………………」元気を無くした美琴が謝る。そんな彼女を上条は気まずそうに片目で窺う。美琴「…………でも、もう歩けないのは本当なの。足が……棒みたいになっちゃって………」上条「(参ったな)」上条は地図を広げる。上条「………あ」美琴「?」上条「こっから先、500mぐらい行ったところにモーテルがある。そこで、休んでくか?」美琴「……! うん!!」パァァ美琴の顔が明るくなった。上条「(やれやれ……)」美琴「さ、早く行こうよ!!」上条の裾をグイグイ引っ張る美琴。上条「あ、ああ………」そんな彼女を見て上条は胸中で溜息を吐く。上条「(御坂の奴、まるで幼児退行してるみたいだな……。まあ色々あったから仕方ねぇけど。先が思いやられるな……)」それからしばらくして、2人は郊外のモーテルに辿り着いた。 学区と学区の僅かな距離の間にある郊外の道。そこに、モーテルはあった。『モーテル』と言っても、日本では馴染みのないものだったが、ここ学園都市では、アメリカ式のモーテルをモデルに実際に設計されたモーテルがいくつもあった。主人「………いらっしゃい」中に入ると同時、正面に見える受付にいた中年の男が上条とその後ろにいる美琴をジロジロと見てきた。恐らくはモーテルの主人だろう。日本人とはいえ、どこかアメリカの映画に出てきそうなその主人の雰囲気もモーテルらしいと言えばらしかった。ただ、カウンターの端に飾ってあった高級そうなフィギュアが気にはなったが。上条「すいません……ちょっと休憩がてら一部屋借りたいんですけど。いや、小さな部屋でいいんで」主人「…………君たち学生?」上条「え?」主人は上条を、次いで美琴を見る。美琴の方は上条に隠れるようにして、更に帽子も目深に被っていたため、主人にはその顔は見えなかったが。上条「…………そうですけど……」主人「どういう関係?」上条「………えーっと……」まさかそんなことまで訊ねられるとは思わなかったのか、上条はしどろもどろしてしまう。上条「(まずいな……何か怪しまれてる? ……不幸な上条さん的な展開だと、この後バレたりしちまうんだよなあ……。でも気のせいかもしれないし、ここで引き返しても逆に怪しまれそうだし……)」主人「どうした?」上条「その……兄妹です!」美琴「……………………」主人「そうか」上条「え?」 主人「いやね、こっちは学生と言うよりかは、主に教師とか研究者とか相手に商売やってるんで。最終下校時刻も近いのに学生……しかも男女のペアを泊めるとなると、色々学校側がうるさいんだよ。倫理的な問題でね」そう言って主人はカウンターの中をゴソゴソと探る。上条「………はぁ」主人「でもま、兄妹なら別にいっか」美琴「……………………」主人「あ、ここに名前書いて」主人はカウンターの上の紙をトントンと指で叩く。見ると、今までに宿泊したらしい人たちの名前がずらっと並んであった。主人「あと一応、身分証も」上条「………お、俺の分だけで構いませんよね?」恐る恐る上条は訊ねる。主人「ああ」上条「(良かった……)」言われた通り、上条は紙に名前を書き、学生証を見せた。主人「じゃ、これ鍵ね」主人は手にしていたルームキーを、上条に渡す。上条「ありがとうございます」 上条と美琴は、部屋を見つけると早速中に入った。上条「ふう、受付のおっさんにバレないかと冷や冷やしたぜ。いつもの俺なら不幸だから速攻バレてただろうけど、今日はついてたな」上条はカーテンが掛けられた部屋の奥の窓から外を見た。たまに、車が通り過ぎていく音が聞こえる。美琴「………ねぇ?」上条「ん?」振り返ると、帽子を脱いだ美琴がそこにいた。美琴「1つ聞きたいんだけど、さっき何で私たちのこと『兄妹』って言ったの?」上条「え? 何でって……」何故か美琴は不服そうな顔をしている。上条「それが一番普通っぽくねぇか?」美琴「…………………」上条「それとも何だよ? どんな間柄だったら良かったんだよ?」美琴「え!? あ……その……それは……」ボソボソ上条「何だよ?」 美琴「こ……こここ……こいb」上条「夫婦か?」美琴「!!!!!!!!!!」美琴「ななななななななな何でふふふふふふ夫婦なのよ!!!!//////////」上条「違うのか?」美琴「こここここんな歳の夫婦なんているわけないでしょうがバカぁぁ////////!!!!」ドゴン!!!!上条「ぶえっ!?」美琴の渾身のボディブローが上条の腹に決まる。上条「おまっ! い、今のは効いたぞ!」美琴「あ、あんたがデリカシーないからでしょ!!////////」上条「?」美琴「うううう//////……もういい!! 私シャワー入るから!!」顔を赤くさせ美琴は言った。上条「あ? ああ」スタスタと、美琴はシャワールームに向かう。美琴「覗かないでよね!?」上条「べ、別に覗かねぇよお前の裸なんて!」美琴「死ね!!」それだけ残し、美琴はバタンとシャワールームのドアを閉めた。上条「何だよあいつ……よく分かんねぇなあ」首を傾げる上条。上条「あ! そうだった!」と、何かを思い出し、上条は部屋を出て行った。 イギリス・某所――。土御門「とにかく、今後はそういう方向性で掛け合ってみるしか……」美琴に『弧絶術式』を発動した末死んだ魔術師のアジト。そのアパートの前で、インデックスたち『必要悪の教会(ネセサリウス)』のメンバーは何かを真剣に話し合っていた。 Prrrrrrr.....土御門「っと、失礼。電話だぜい」土御門「はいもしもし、こちら土御門」上条『土御門か? 俺だ! 上条だ!!』土御門「カミやんか!?」インデックスステイル神裂「!!??」土御門「無事か? 今どこにいる? 超電磁砲はどうした?」受話器の向こうの上条に問い掛ける土御門。インデックスたちが土御門の周りに集まる。上条『取り敢えずは俺も御坂も無事だ。一緒にいるよ』その言葉を聞き、インデックスたちが安堵の息を吐く。ステイル「ったく、心配掛けさせやがって」神裂「彼ならやってくれると思ってましたよ」インデックス「とうま……短髪……良かった……」 一方、学園都市。上条「今、学園都市のモーテルから掛けてる」土御門『誰か側にいるか?』ゆっくり振り返る上条。少し離れた場所で、受付の主人が来客に応対しているが見えた。上条「いや……それは大丈夫」上条は今、モーテルのエントランスの端に設置されている公衆電話で土御門たちに電話を掛けている。土御門『だが、今も学園都市内にいるのは確かなんだな?』上条「そうだ。まだ、学園都市から逃げ出すのには時間が掛かりそうだ」土御門『やっぱりか……』上条「土御門、何とかして助けてくれないか? 俺はともかく、御坂が色々心配なんだ」土御門『こっちも出来ることはやってるんだがな……』上条「……『弧絶術式』について、新しいことは何か分かったか?」土御門『ダメだな。せめて死んだ魔術師が何故、超電磁砲を狙ったのか……。それが分かれば、何か有力な手掛かりを掴めそうな気もするんだが……』上条「……クソッ! 魔術師の野郎め!! 生きてたらぶん殴ってやったのに!!」土御門『落ち着けカミやん。前も言ったろ? 冷静にならなければ助けられるものも助けられなくなるって』上条「…………っ」土御門『こっちも電話で上の連中に頼んでみたんだがな。学園都市に戻りたい、って。だが、人手不足を理由に断られた。もしくは学園都市と厄介になることは嫌だったのかもな。だから今、直接話しにいこうと思ってたんだが……どうなるかな』上条「……何で……こうなるんだよ!!」上条は拳を握り、ワナワナと震わせる。土御門『………とにかく、カミやんは出来るなら頻繁に連絡を寄越してくれ。特に、学園都市から『外』に脱出する時にはな。俺たちも、何とかそっちに行けるようしてみるから』上条「…………分かった」公衆電話にうなだれるようにして、上条は小さく答えた。『とうま!!!』上条「!!!!」 突然、受話器の向こうから土御門とは違った幼い少女の声が聞こえてきた。上条「インデックスか!?」インデックス『そうなんだよ!』上条「みんなと上手くやってるか?」上条は、電話に出たインデックスに訊ねる。インデックス『私のことはいいんだよ! 短髪は……短髪は無事なの?』だが、彼女は自分のことよりも、余程心配だったのか美琴について逆に聞いてきた。上条「何とかな。随分参ってるようだけど……」インデックス『ごめんなんだよ……。私がもっと早くに『弧絶術式』に気付いていれば……』受話器越しでも分かるほど、インデックスの声は落ち込んでいた。上条「はぁ!? 何言ってんだよ!? お前のせいなんかじゃねぇからな!! 悪いのは死んだ魔術師だ。お前が責めを負う謂れはねぇ!!」インデックス『でも……』上条「俺もそうだが、御坂もお前には感謝してる。お前がいなかったら俺は御坂のことに気付いていなかったし、御坂もやばいことになってたかもしれないんだ。だからインデックス、お前のせいじゃない」インデックス『うん……』上条「よし」インデックス『とうま……私、絶対短髪を助け出す方法見つけるから。だから……とうまも短髪のこと、守ってあげてね……』上条「任せとけ」笑顔で頷きながら、上条は自信たっぷりと答える。 インデックス『短髪には……今、とうましか頼れる相手はいないんだから』上条「ちゃんと分かってる。心配すんな」2人の会話はそれで終わった。土御門『カミやん』上条「土御門か」土御門『そういうわけだ。こっちも出来るだけ頑張ってみるから、カミやんも頑張ってくれ』上条「ああ」土御門『では、また連絡してくれ』上条「分かった」電話を切る上条。彼はしばらく、公衆電話に腕を掛けうなだれるようにして微動だにしなくなった。何か考え事をしているようだった。上条「…………戻るか」顔を上げ、振り返る。と、そこで受付の主人と目が合った。上条「…………………」すぐに目を逸らす主人。上条はそんな主人を横目に、無言でカウンターを通り過ぎていき、部屋に戻った。 上条「これからどうするか……」ガチャッ美琴「あ」上条「ん?」美琴「……………………」上条「……………………」上条が部屋のドアを開けた瞬間、2人は言葉を失くしそこで固まった。上条「あ……いや……その……これは……//////」美琴「……………………」額に青筋を立て拳を握る美琴。無理も無い。何故なら今彼女は、バスタオル1枚だけを持って身体を僅かに隠していた状態だったのだから。美琴「この……変態!!!!!!!!」バチバチバチッ!!!!!!上条「ぎゃああああああああああああ!!!!!!!!」モーテル中の電気が、一瞬だけ停電した。 美琴「まったく、信じらんない。人の風呂上りの姿見るとか」上条「いや、無茶言うなよ! こっちだってあのタイミングで鉢合わせるとは思わなかったんだ!」美琴「どうだか? 本当は狙ってたんじゃない?」タオルで頭を拭きながら、美琴は尖った口調で言う。もちろん今彼女はちゃんと服を着ていたが、上条に対する怒りはまだ収まっていなかった。上条「んんなわけあるか! 大体お前も無用心だろ!! 同じ部屋に泊まってんのに!!」ベッドに腰掛け必死の言い訳を試みる上条。美琴「だって部屋にあんたの気配が無かったんだもん」タオルを椅子の上に掛ける美琴。彼女は上条と向かい合うようにしてもう1つのベッドに腰掛ける。上条「つーか、俺がお前の裸姿覗くわけないじゃん。まだ中学生だってのに」美琴「!!!!」上条「それにいくら上条さんでも、女の子の裸見ていちいち興奮するほど節操無い男じゃないし」美琴「……………………」上条「だから別にこれからも今みたいなことあってもお前は気にする必要ないぞ……ってどうした?」気付くと、美琴が黙ったまま俯いていた。上条「ん? 俺もしかして何か悪いことでも言ったか? いや、さっきの鉢合わせについては悪いと思ってるけど……」美琴「………っ」本当に、上条には悪気が無かった。寧ろ、一連の言葉はどちらかというと美琴を気遣うために言ったことだったが、彼女は上条の予想とは裏腹に、何か傷ついたような、ショックを受けたようなそんな感じだった。 上条「御坂?」上条が美琴の顔を覗き込む。美琴「あ、あんたは……!」上条「いっ!?」バッ急に美琴が顔を上げた。何故か、目を潤ませながら。美琴「あ……あんたは……」上条「???」美琴「その………」一度、顔を逸らす美琴。だが、何か意を決するように彼女は再び顔を上げ上条を見つめた。美琴「私の裸なんて見ても、やっぱり何とも思わないの?」上条「!!!!!!!!!!!」美琴「…………、」目を潤ませ、上目遣いでそう訊ねてきた美琴。風呂上りで肌は上気しており、赤みを帯びているその姿は、元の肌が白く綺麗なためか、中学生とは言え妙に色っぽさを醸し出している。おまけに彼女の自慢のシャンパンゴールドの髪は少し濡れており、どこからか甘い香りも漂ってくる。上条「(こ……これは……何か色々とまずい……)」そんな彼女の艶かしい身体が、距離にして50cmの範囲内にあれば、さすがの上条も正常な対応が出来なかった。 美琴「………当麻」上条「(うお! ちょっ、待って……これはヤバイ。ヤバ過ぎる……)」しどろもどろし、思わず視線をあちこちにやる上条。美琴「ねぇ………」相変わらず彼女は、上目遣いで上条に答えを求めてくる。どうやら彼女にとってはちゃんと答えてほしい真剣な問題のようだった。上条「(えー……ど、どうすんの俺!?)」美琴「答えてよ……」上条「…………っ」美琴は上条を見つめてくる。間違いなく彼女は、1人の女性として質問している。上条「(ここで逃げたら、男がすたるぞ上条当麻)」胸中にそう呟く上条。そして彼は何かを決心するように、1度息を吐くと、美琴の顔を見据えた。上条「み、御坂……」美琴「な、何?」上条「………………」この時、美琴の姿を見て上条は改めて思う。こいつも女の子なんだな、と。いつもは追いかけたり追いかけ回されたり、電撃浴びたり浴びせられたりと、よく分からない間柄でそんなことを意識することもなかったが、こうやってきちんと面し合って見るとちゃんと分かる。間違いなく、彼女は1人の女の子なんだと。正直、彼女とこんな展開になるとは夢にも思ってみなかったが、目の前の彼女が、1人の女の子として答えを求めてきている以上、上条も1人の男として、真面目に応じてやらなければならなかった。 上条「いや……その……さすがにさっきのは……俺も……デリカシーが……なかったかな……」美琴「う……うん……」上条美琴「「…………………」」上条「だから……」美琴「!」ビク上条「あー……だからね……その……何だ……改めて考え直してみると、だ……」美琴「うん……」上条「さっき……お前のバスタオル1枚の姿見て……」美琴「うん//////////」上条「あ、こいつこんな綺麗な身体してるんだな、って思ったのは事実……だ」美琴「ホ、ホントに?」上条「ああ……」上条は美琴に視線を合わせきっぱりと答える。美琴「…………………」上条「…………………」2人ともそれ以上、出てくる言葉がなかったのか、自然と、見つめ合う形のまま動かなくなった。美琴「……………………」上条「……………………」部屋が静寂に包まれる。今、確かに上条と美琴は1人の男と1人の女として面し合っている。そして、一瞬、彼らの間に大人の空気が流れた時だった。ガシャアアアアアアン!!!!!!!!上条美琴「!!!!!!!!!!」 部屋の外から物音が聞こえた。上条「何だ!? 敵襲か!?」美琴「えっ!?」ベッドの上で固まっていた2人が同時に立ち上がる。上条「何があった!?」急いでドアを開ける上条。上条「!!!???」そこで上条が見た物とは………主人「ああああああ何てことだあああ!!!!!!」上条「ど、どうしたんですか!?」客「いやね、何か主人、カウンターでホラー映画見てたらしくて、急に僕が入ってきたもんだから、驚いて『愛しのカナミンフィギュア高級クリスタルガラス製』を落として割ってしまったらしいんだよ」カウンターの前にいた教師らしい男が苦笑いを浮かべて説明する。上条が視線を下に向けると、受付の主人が床に落ちて割れて、無残な形になったフィギュアの残骸を見て泣いていた。主人「よ、嫁さんと娘に逃げられて落ち込んでた時に俺を励ましてくれた『愛しのカナミンフィギュア高級クリスタルガラス製』が粉々になってしまったあああああああああ!!!!!! 俺とカナミンの愛も粉々になってしまったあああああああ!!!!!!」頭を抱え、床の上で男泣きをする主人。その光景は余りにもシュールだった。客「だからいつも注意してたじゃない。割れやすいものはカウンターの上に置いちゃダメだよ、って」上条「…………………」上条は呆れたと言うよりも呆然としていた。主人「カナミンんんんんんんんんん!!!!!!」客「まあまあご主人」主人「俺がホラー映画見てる時にお前が急に現れるからだーーーーーー!!!!!!」客「えーーーーーー!?」上条「アホらし………」溜息を吐き、首を振ると上条は部屋に戻っていった。 美琴「な、何だったの?」部屋に戻ると、美琴が心配そうに訊ねてきた。上条「何でもねーよ。主人が愛用のフィギュアが割れたんだと」美琴「何それ」上条「さあ?」美琴「………あ」上条「ん?」美琴「………………」上条「………………」美琴「………そ、そのさっきは変なこと聞いてごめん////////」上条「………い、いや別に……。と、とにかく俺も答えたからな////////」美琴「………わ、分かった。さ、さーてと、そろそろ寝ようかな」上条「えぇっ!!!???」美琴「えぇっ!!!???」上条「あ、ああ。寝るのか、そうか寝るんだよな。つ、疲れてるもんな。ど、どうぞご、ごゆっくり」美琴「う、うん。ちょ、ちょっと仮眠取るだけだから……。お、起きたらご飯でも食べよ?」上条「そ、そうだな……」上条美琴「「……………………」」美琴「お、お休み!!」上条「おおおおう。お休み!!」光の速さでベッドに潜り込む美琴。上条の方はキョどりながら、室内に設置されていたテレビを点け番組を見始めた。2人はまだ、色んな意味でウブだった。
https://w.atwiki.jp/rightnovel/pages/271.html
第7学区のスキルアウトのメンバー。浜面の後のリーダーを担っている。 何かと自分を卑下することが多い浜面を陰ながらサポートする。正体は伊賀服部家の末裔である忍であり、その出自から影に徹している。駒場や浜面がいた頃は作戦立案が主な役目だったらしい。ダンボールハウスから高級マンションまで様々な隠れ家を多数用意しており、身分を偽装するための道具も一通り取り揃えている。体術や武器術にも優れ、銃も器用に扱うが「初撃必殺」に強い拘りを持つため、それが出来る場面以外では戦闘に参加したがらない。黄泉川に一目惚れしている。 「新約」では駒場に代わってフレメアの世話をしていたが、そのフレメアが「新入生」に狙われ始めたため浜面と共に「新入生」に立ち向かった。 とある魔術の禁書目録
https://w.atwiki.jp/kagosimakuuuuun/pages/46.html
元スレはここ 前へ 次へ <登場人物・配役紹介> アクセラレータ・ポッター(ハリーポッター) 主人公。ポッターの運命を二分する一人。今年度でグリフィンドール寮三年生 クィディッチチームのシーカー 姿は母百合子、声は父通行の生き写し でもなくなった二人は杖になんかいたり現世降臨したりであまりありがたみがない。なんなのこのチート夫妻 ついでに本人もチート。ようやっと全反射設定が出来るくらいになった模様。ところにより黒い翼も降るでしょう ツッコミ街道は今年も驀進か。『もうやだ魔法界』の一言とともに頑張れアクポタ 当麻・上条・ポッター (ハリー・ポッター) アクセラレータの親友。ポッターの運命を二分する一人。グリフィンドール寮三年生 クィディッチチームのチェイサー 魔法界の英雄 アクポタとは従兄弟関係。中々生かされていないので忘れらてるとか言わない 右手に宿すはご存知『幻想殺し』。ゴドリック・グリフィンドールの力の塊としてなんやらふにゃっとご登場 今年はゆで理論とオガクズ街道を進むのは控えたいとのたまう、でもやっぱり『不幸だ』は聞けちゃいそうな頑張れ上ポタ インデックス・グレンジャー (ハーマイオニー・グレンジャー) アクセラレータの親友。グリフィンドール寮三年生 物覚えと頭の回転は凄いけど燃費の消費もすこぶる早い小回りのきく大食女ことインちゃんさん アクセラポッターとは中が良い。主にチョコを餌付けられる間柄として 常識人街道を今年は悠々歩けそうな予感。黒歴史期間は終わったんだよ一一それなんのことかな!頑張るかも! 美琴・御坂・ウィーズリー (ロナルド・ウィーズリー) アクセラレータの親友。グリフィンドール寮三年生 クィディッチチームのチェイサー 放電性魔法体質持ちの電撃姫。姉妹従姉妹含めて二万人も親戚がいたり絵がこの世の終わりと混沌だったり かと思えば思考が乙女の腐った部分になったりたまにときめいたりツンデレったりナメクジったり色々と収集がつかない どうしてこんな琴に街道驀進中。基本は乙女で頑張って生きたい。生きたい 20000・ミサカ・ウィーズリー (フレッド・ウィーズリー) グリフィンドール寮五年生。美琴の姉。クィディッチグリフィンドールチームのビーター 下のネタ的なベクトルに絶対無敵放送禁止慇懃無礼のド変態 夏休み早々になにやらやらかしたため自宅謹慎中。ところで自宅謹慎ってなんだか響きがエロイですよねぐふぃふぃ! 10033・ミサカ・ウィーズリー (ジョージ・ウィーズリー) グリフィンドール寮五年生。美琴の姉。クィディッチグリフィンドールチームのビーター ドマゾなベクトルにドマゾで犬でアクセラレータの自称忠犬的変態な変態ツインズの片割れ 自宅謹慎?なればそうですね両手足の拘束と猿轡とカテーtおやお母様どこに行かれますかちょっとお母様そんな家に鍵と結界なんかでは完璧な謹慎とはいえませんお母様っ!!!!!! 涙子・佐天・ダースリー (ダドリー・ダーズリー) アクセラレータの……又従妹?にあたる?とりあえず母親の従姉妹の娘 なんだかツンデレになっててあれこれ佐天さんかねと思わないでもない 存在意義のために初春はどうしてもスカートめくられに出したいところ パーノン・ダースリー (バーノン・ダーズリー) ペツニア・ダーズリー (ペチュニア・ダーズリー) アクセラレータの保護者。化け物扱いしていた過去があるため心は開かれていない 頭の良いアクセラレータをマグルの名門に入れて高給取りにして寄生して生きようと企んでいたところ失敗 まぁ実際のところちゃんとした実業家なので問題ないとは思う 愛穂・黄泉川・ハグリッド (ルビウス・ハグリッド) ホグワーツの森番……に加えて、今年はなにやらある模様 その豊かでたわわでたおやかな双球は男の子の夢が詰っているとかいないとかなんとかかんとか 大きくて凶暴であればあるほどな生き物が好き 桔梗・芳川・ダンブルドア (アルバス・ダンブルドア ※ミドルネーム略) ホグワーツ魔法・魔術学校の現校長 当代敵無しだとかもの凄い魔女だとか言われているがやる気のないぐーたらのところばかり見せているので アクポタからは尊敬はされていない。ただし信用はしている模様 コーヒーは杖以上のメインウエポンになるとかならないとか コポコポコポ 百合子 アクセラレータのふくろう アクセラレータの母親の百合子と名前が偶然にも同じ。その偶然が徒となり一人の教師が変態扱いに エロール 御坂家のふくろう 群雄割拠個性乱立な御坂一族の中で長年鍛えられたツッコミと観察力はもはや老師。無駄に渋い スキャバーズ 美琴の飼っているねずみ。長生き。無駄に ??・??・ブラック アズカバンから脱獄し逃亡中の男。アクポタとなにやら因縁があるとかないとか名前今まででバレバレとか言わない
https://w.atwiki.jp/index-index/pages/2857.html
【種別】 人物 【初出】 アニメ とある科学の超電磁砲 第八話 【CV】 浅野 真澄 【解説】 『幻想御手』の情報を追う御坂美琴の前に現れた、 スキルアウトのリーダーを務める少女。 所持する能力は『表層融解(フラックスコート)』。 美琴をカツアゲしようとした手下を叱って帰らせた後、美琴との一対一の勝負を希望。 自身の能力を『幻想御手』で強化していたことで勝利を確信していたが、あっさり敗北した。 漫画版『超電磁砲』第七話や『禁書目録』一巻では、7月19日と20日の停電は、 美琴の上条当麻への落雷が原因だったが、 アニメ版では彼女への攻撃が原因となっている。 その後、アニメ版第十四話で再登場。 補習を『幻想御手』使用者への「罰」と勘違いして憤慨し、 暴れ出したところを黄泉川愛穂に押さえ込まれた。 ガラの悪い自分にも媚びない佐天の態度に関心するような描写もあった。
https://w.atwiki.jp/index-ss/pages/37.html
□前回までのあらすじ 不適切な回答をしたため御坂美琴のフィニッシュブローを派手に喰らって 意識を刈り取られた上条当麻 そんなコントをよそに学園都市に現れたステイル=マグヌスとインデックス、彼らは学園都市に 潜入していた必要悪の教会(ネセサリウス)の土御門元春へとコンタクトを取り、事態の収拾を図るのだった。 あとアニェーゼのポッキーはサクサクのスティック状に焼かれたクッキーでチョコレートクリームを少量掬って食べるという 優雅なお菓子、13日に2時間かけて製作しその失敗作は全てシスター・アンジェレネの胃袋に消えた。 せっかく出来た成功作もあの人へ贈る前に必要悪の教会(ネセサリウス)のロビーから消え去ってしまった。 はたして彼女の想いは届くのか? □第四話[とある通行止めの『告白儀式』(ハートトゥハート)] ある一件以来[一方通行]はとある少女と一緒に暮らしている。 といっても一応の保護者となっている黄泉川愛穂の教員用4LDKに一緒に居候しているだけなのだが [打ち止め](ラストオーダー)曰く、乙女の夢、ラブラブ同棲生活らしい。 「ちょこれーと♪ちょこれーと♪」 さっきからキッチンでガチャガチャと音がする、多分あのガキンチョがなにかやってるんだろうが、その音のせいで せっかくの眠りから覚めてしまった。 「おい、クソガキ」 寝起きの頭を無理やり働かせ騒音の元凶であるキッチンに向けて呼びかけてみる。 「眠ってたはずなのに!? これはまずい シーン、返事がない、いただのしかばねのようだ。きっとこれであなたの注意は他に逸れたはず、というわけで早速再開、ミサカはミサカは 本当は聞こえているけど敢えて聞こえない振りと死んだ振りをしてごまかして見たりしてみる」 キッチンから再び聞こえる[打ち止め]の機嫌のよさそうな声とカチャカチャと言う金属音。 以前なら周囲の音を反射して完全な無音空間を作ることと眠っていても発揮される彼の能力によって誰も彼の睡眠を邪魔することは できなかったのだが 今の彼には一方通行としての能力を発揮できる時間はおよそ15分間しか無い。 通常なら48時間使用できるはずの電極型チョーカーのバッテリーは能力使用モードではその膨大な情報の処理と 代理演算によって稼働時間が極端に短くなるからだった。 しかもバッテリーは特注品の為一個しか無い、次々と交換していくという使用法は出来ない。 「ヲイ、クソガキ。 キッチンは危ないから入るなと言ッてンだろうが」 「ひゃああ!こわーい、家庭内暴力だわ。こんな生活には耐えられません、実家に帰らせていただきます、ちらり、さぁ早く引き止めて? とミサカはミサカはお昼のドラマのワンシーンを再現してあくまでもキッチンをどかない覚悟でアナタをぐいぐいと部屋の方に 押してみたりするけど、か弱いミサカの力では・・・痛!? 暴力はんたーい―」 「やかましい! 黄泉川と芳川はどこへ行きやがッた!?」 パステルカラーのエプロンと三角巾をつけた[打ち止め](ラストオーダー)はさっきまで一方通行が寝ていた部屋を指差して 「置手紙が置いてあったはずだけど、もしかして見て無かったり?アナタにとって睡眠はやっぱり鬼門かも。 意外と低血圧で寝起きの機嫌は悪そうでこわー、とミサカはミサカはアナタに意外な一面を発見したことをミサカネットワークに配信してみたい とか思ってみたり」 くるりと反転してさきほどまで自分が寝ていた部屋へと戻りテーブルの上に置かれた一枚の紙切れに手を伸ばす。そして読む。 紙にはただ[桔梗とでかけてくるじゃん 黄泉川]とだけ書かれていた。 「・・・・・・」 「いい無言だ、感情に満ち溢れている、とミサカはミサカは意味ありげで無さそうな台詞を使ってみたりするけど なんでアナタがこめかみピクピクさせてるのかちょっと理解に苦しんでみたり?・・・・カルシウム不足?」 一方通行は無言で自分の足元でぴょんぴょん飛び跳ねる打ち止めの襟首をがしりと掴んで 「芳川と黄泉川が出かけてンのはよ~くわかッた、だがお前は一体何をしてンだ? な~ンなンでーすかーこれは~?」 「えへへ、内緒。 ミサカはミサカは可愛く舌を出しつつ自分の頭を軽くコツンと叩いてドジッ子を演出してみたり、更に 宙ぶらりんなので意外と高い視点に驚きの声を上げてみたりしつつ肝心の内容についてはミサカは黙秘権を行使しますと ミサカはミサカは専門用語を使って話をはぐらかしてみたりする」 4LDKの教員用マンションのキッチンを見るに耐えないぐらいぐちゃぐちゃに散らかしておき、可愛く仕草で必死にごまかそうとする幼女と 普通ならありえないキッチンの惨状を指差してコメカミに青筋浮かべてる学園最強の能力者の姿がここにあった。 「うう、くすんくすん。 夜までに仕上げないといけないから頑張ってみたのに・・・・なんでこんなときに芳川も黄泉川も居ないんだろうと ミサカはミサカは他のミサカ達に意見を求めてみたり」 空気をまったく振動させない声が仮想空間に響く 「ミサカ10039号から全ミサカへ、ミサカはチョコレートの作成に成功しましたと感嘆の声を上げ勝ち誇りつつ報告します」 仮想空間のどこかから少し明るい声が聞こえた。 「ミサカ13577号からミサカ10039号へ、そのチョコレートは誰に贈るつもりなのですか?とミサカは答えは解りきっているのですが一応確認します」 「ミサカ10032号からミサカ10039号へ、ミサカからも同様の質問を送ります。 まさかとは思いますがあの人に贈るつもりなのでしょうか?だとしたら抜け駆けは断固容認できません。とミサカは自分の胸元にキラリと輝く あの人からプレゼントしてもらったペンダントを握り締めつつ、自分もチョコレート作成の合間に質問します」 「あの人からのペンダント!?そんな報告は受けていませんミサカ10032号、むしろそちらの方が抜け駆けなのでは?とミサカ19090号は 激しく事情の説明を求めます」 声は仮想空間のあちこちから流れてきて、そのどれもが同じ声だった。 「やかましい、これは彼が私だけにくれた愛の証なのです!! 湯煎で溶かしたチョコレートをハート型の型へと流し込みながら ミサカ10032号ははっきりと宣言します」 再びネットワーク全体が大ブーイングを発する。 結局のところ、ほとんどのミサカが10032号のペンダントを羨ましがっているようだ。 「ここではミサカはミサカ20001号って名乗った方がいいのかな? というか他のミサカ達が夢中になってる人の事はどうでもいいから ミサカに助言してほしいかもーとミサカはミサカは切実に頼んでみたりする」 だけど今は他のミサカが夢中になっている男性よりも自分にとっては一方通行へのチョコレートを作ることの方が大事だ。 「ミサカ10038号からミサカ20001号へ、どうでもよくなどありません、彼の側に居ることのできるのは只一人という過酷な戦いなのです。 全ミサカはきっと虎視眈々と他のミサカを出し抜く機会を窺がってるに違いありませんとミサカは自分こそが彼の側にいるに ふさわしいミサカだという想いを込めたチョコレートを作成しつつスラスラと訂正を求めます」 世界中の全ミサカが次々へと発言する度にそれに反応したミサカ達が返答する。 そこには距離なんて物は存在していなかった、ミサカによるミサカのためのミサカネットワーク、それはミサカとミサカ同士で 記憶や経験を共有できる能力。 「ミサカ20001号から全ミサカへ、なんだ結局みんなチョコレートつくってんじゃんか、と安易な突っ込みを入れることに少し 生命の危機を覚えつつミサカはミサカはそれでもお願いしてみる。 お願いだからあの人をうならせるチョコレートの作り方を教えて欲しい」 「ミサカ10032号からミサカ20001号へ、その気持ちわかります・・・・ミサカのチョコレートは後は冷やして固めれば完成なので ミサカが協力しましょうとミサカはオリジナルより少し優位に立ってる自分の胸をドンと叩いて面倒見のよいところをさりげに示してみます」 「わーい、ぜひお願いしたいかもー、これでマトモなチョコレートが作れてあの人をぎゃふんと言わせれるかもドキドキ、と ミサカはミサカはチョコレートをかじるなんて姿がまるで想像できないあの人の姿を無理やり捏造して脳内処理して ハッピーエンドにもって行きながらあまりの嬉しさにそのままネットワークから落ちてみたり」 「ミサカ20001号!? 具体的に打ち合わせが済んでないのに一方的に通信を切断するとは!?とミサカは上位個体のあまりの自分勝手さに 呆れつつ冷凍庫へと会心の出来のチョコレートを突っ込みながら驚きの声をあげます 」 「とりあえずミサカのチョコレートは難を逃れたようです、よかったよかった、これであの人のハートはいただきですと ミサカ19090号は勝利を確信します」 「ミサカ13577号から全ミサカへ、ミサカ10032号とミサカ19090号の抜け駆けを許してはなりません。 断固とした処置を」 「ふーんだ、悔しければ自分達もチョコレートを作成してあの人に贈ればいいではありませんか?とミサカは あくまでも自分の優位は揺ぎ無いものと信じつつ他のミサカ達を挑発します」 その日世界中に散らばった[妹達]はその全てがある一人の少年の為にだが、チョコレート作りの真っ最中だった。 自分の精神をミサカネットワークから一旦切り離した[打ち止め]はゆっくりと目を開けて自分の体との同調を確認する。 周囲を見渡せば調理器具が散乱していたキッチンはすっかり綺麗になっていた。 ネットワークに繋ぐ前に[打ち止め]と[一方通行]が片付けたからである。 彼は彼なりに[打ち止め]の事を大事にしてくれているのだろうが、でもこの事だけは引き下がるわけにはいかないし協力者の当てもできた。 そもそも贈るべき当人が居る場所で作っても駄目だということに今更ながら気づいた。恋はインパクトが大事なのだ。 その彼も今はソファーで再び寝息を立てて夢の中だ、このまま寝顔を観察するのもそれはそれで有意義な時間だが 今は今日中にチョコレートを作成しなければならない。 そう今は行動の時だ、と決意を新たにすると[打ち止め](ラストオーダー)は パステルカラーのエプロンと三角巾と昨日のうちに用意しておいた容器等をポシェットへ詰め込み、 「しめしめ、これはチャンス。 ミサカはミサカはアナタが寝ている間にとびっきりのチョコレートを作ってびっくりさせてみたり! でも心配するかもしれないから一応一筆書いておいてみたり、これで完璧、ミサカはいい子いい子」 そう言うなり[打ち止め]は寝ている[一方通行]を起こさない様に慎重に足音を殺し、玄関のドアを開けるとトテトテと通路を走り、 階段を使って地道に1階を目指す。 こんなとき上の方の階は不便だが[打ち止め](ラストオーダー)の背ではエレベーターのボタンが押せないので この際仕方ないと諦めることにした。 その小さな足の行き先はもちろん協力者たる彼女のところだ、幸い彼女の居場所ぐらいは彼女の上位固体である自分にはある程度はわかる。 「にひひひ、今日のお出かけ指数は120%!! [打ち止め]の幸せ指数は30上昇した。てろりろりーん♪ ミサカはミサカは気分上場でレッツゴーとか張り切ってみたり」 期待に満ちた顔をして[打ち止め](ラストオーダー)はマンションを後にするのだった。 上条達が居た広場が近くにあるバス停の近くにはなんだかご都合主義的にいくつかの喫茶店が並んでいる。 その喫茶店の一つである洋風の小さな喫茶店『Holy land』はおいしい自家製のケーキといかついマスターが自分で挽く本格的なコーヒーが売りだ。 そんな喫茶店の窓際は普段の客とは少し違った連中が占拠していた。 赤い髪に黒いローブの外国人と純白に金色の縁取りが入った豪華な修道服に身を包んだ銀髪の少女が隣同士に座り さらにその向かい側の席では金髪に薄い青色のサングラスを掛けた学生服の少年がテーブルを同じくし会話を楽しんでいた。 少なくともカウンターでグラスを磨いていたマスターにはそう見えた。 「ある特定の条件をクリアした場合のみに自動で発動するタイプの大魔術だと?」 土御門はブラックのコーヒーを啜りながら向かいの純白シスター、インデックスへと疑問を投げる。 「そうだよ、聖バレンチヌスゆかりの日にのみその効力を発揮して世界中からある物を特定の条件をクリアした対象へと転送する。 それが例え世界のどこにあろうが関係ない、たとえ南極の氷の中だろうがエジプトのピラミッドだろうが対象の生死すら 問題にはならないんだよ。 但しどこの地域で誰を対象に発動するかは完全に予測不可能。 これは世界自体を魔方陣として見立ててるからだと思う」 小さなモンブランにフォークを突き立てインデックスが答える。 「つまり、世界中のどこかで初期の魔方陣の見立てと違った場所があればそれで効果も対象も変わるってわけだね」 赤い髪の魔術師は騒ぎの中心へと目を向けて呟いた。 彼は優雅にダージリンティーだ。 「で、今回の対象はカミやんなわけか・・・・・でも[幻想殺し](イマジンブレイカー)はどうなってるんだにゃー?」 土御門の問いにインデックスは修道服の襟を正しながら語る。 「トウマの右手の事だね、あれは確かに法王級の霊装ですら一撃で破壊するぐらい理不尽な能力だけど大型結界の類は多分 核か何かを直接触れないと壊せないんじゃないかな? でなければステイルの報告にあった三沢塾や神裂の報告にあった御使堕し(エンゼルフォール) なんかも当麻がその一端に触れた瞬間に壊れないといけないんだよ。 送られてくる物品自体は異能の物じゃないから対象外なんじゃないかな?」 「ふむ、彼の右手は自動再生型の異能は確かに核に触らないと無効化できていなかった。発動条件が直接触れる事だからね。 法の書の一件でアニェーゼが使ってた座標攻撃の魔術は彼も対象になっていたことがあったな」 タバコをぷかぷかとすいながらステイルも参加する。 「『告白儀式』(ハートトゥハート)の基本設定は『想いの篭もった品の転送』―」 「それって黙っていても、自分の手に届く品を品物だけ先に貰ってるってことかにゃ?」 「そうだよ、だからこそこの大魔術は封印されていたのかも。 隠した秘めた想いや直接渡したかった想いを踏みにじってしまう迷惑極まり無い 邪法なんだよ」 ゴクリとインデックスが唾を飲み込み神妙な顔をして説明する。 「まったく、とんだ大魔術だにゃー『告白儀式』(ハートトゥハート)ってのは」 「そうだね、これがもし自分の身に起こったらと思うとゾッとするね」 ステイルと土御門は顔を見合わせて二つの声で 『でもまぁ、上条当麻だからいっか』と同じ一つの言葉を口にした。 真面目に聞いて欲しいかもー、と怒ったインデックスが両手を振り上げて緊張感が抜けてしまった 男2人に対して抗議して プンプンと頭から湯気を上げていた。
https://w.atwiki.jp/indexssindex/pages/57.html
とある世界の『告白儀式』(ハートトゥハート) □前回までのあらすじ 不適切な回答をしたため御坂美琴のフィニッシュブローを派手に喰らって 意識を刈り取られた上条当麻 そんなコントをよそに学園都市に現れたステイル=マグヌスとインデックス、彼らは学園都市に 潜入していた必要悪の教会(ネセサリウス)の土御門元春へとコンタクトを取り、事態の収拾を図るのだった。 あとアニェーゼのポッキーはサクサクのスティック状に焼かれたクッキーでチョコレートクリームを少量掬って食べるという優雅なお菓子、13日に2時間かけて製作しその失敗作は全て シスター・アンジェレネの胃袋に消えた。 せっかく出来た成功作もあの人へ贈る前に必要悪の教会(ネセサリウス)のロビーから消え去ってしまった。 はたして彼女の想いは届くのか? □第四話[とある通行止めの『告白儀式』(ハートトゥハート)] ある一件以来[一方通行]はとある少女と一緒に暮らしている。 といっても一応の保護者となっている黄泉川愛穂の教員用4LDKに一緒に居候しているだけなのだが [打ち止め](ラストオーダー)曰く、乙女の夢、ラブラブ同棲生活らしい。 「ちょこれーと♪ちょこれーと♪」 さっきからキッチンでガチャガチャと音がする、多分あのガキンチョがなにかやってるんだろうが、その音のせいで せっかくの眠りから覚めてしまった。 「おい、クソガキ」 寝起きの頭を無理やり働かせ騒音の元凶であるキッチンに向けて呼びかけてみる。 「眠ってたはずなのに!? これはまずい シーン、返事がない、いただのしかばねのようだ。きっとこれであなたの注意は他に逸れたはず、というわけで早速再開、ミサカはミサカは 本当は聞こえているけど敢えて聞こえない振りと死んだ振りをしてごまかして見たりしてみる」 キッチンから再び聞こえる[打ち止め]の機嫌のよさそうな声とカチャカチャと言う金属音。 以前なら周囲の音を反射して完全な無音空間を作ることと眠っていても発揮される彼の能力によって誰も彼の睡眠を邪魔することは できなかったのだが 今の彼には一方通行としての能力を発揮できる時間はおよそ15分間しか無い。 通常なら48時間使用できるはずの電極型チョーカーのバッテリーは能力使用モードではその膨大な情報の処理と 代理演算によって稼働時間が極端に短くなるからだった。 しかもバッテリーは特注品の為一個しか無い、次々と交換していくという使用法は出来ない。 「ヲイ、クソガキ。 キッチンは危ないから入るなと言ッてンだろうが」 「ひゃああ!こわーい、家庭内暴力だわ。こんな生活には耐えられません、実家に帰らせていただきます、ちらり、さぁ早く引き止めて? とミサカはミサカはお昼のドラマのワンシーンを再現してあくまでもキッチンをどかない覚悟でアナタをぐいぐいと部屋の方に 押してみたりするけど、か弱いミサカの力では・・・痛!? 暴力はんたーい―」 「やかましい! 黄泉川と芳川はどこへ行きやがッた!?」 パステルカラーのエプロンと三角巾をつけた[打ち止め](ラストオーダー)はさっきまで一方通行が寝ていた部屋を指差して 「置手紙が置いてあったはずだけど、もしかして見て無かったり?アナタにとって睡眠はやっぱり鬼門かも。 意外と低血圧で寝起きの機嫌は悪そうでこわー、とミサカはミサカはアナタに意外な一面を発見したことをミサカネットワークに配信してみたい とか思ってみたり」 くるりと反転してさきほどまで自分が寝ていた部屋へと戻りテーブルの上に置かれた一枚の紙切れに手を伸ばす。そして読む。 紙にはただ[桔梗とでかけてくるじゃん 黄泉川]とだけ書かれていた。 「・・・・・・」 「いい無言だ、感情に満ち溢れている、とミサカはミサカは意味ありげで無さそうな台詞を使ってみたりするけど なんでアナタがこめかみピクピクさせてるのかちょっと理解に苦しんでみたり?・・・・カルシウム不足?」 一方通行は無言で自分の足元でぴょんぴょん飛び跳ねる打ち止めの襟首をがしりと掴んで 「芳川と黄泉川が出かけてンのはよ~くわかッた、だがお前は一体何をしてンだ? な~ンなンでーすかーこれは~?」 「えへへ、内緒。 ミサカはミサカは可愛く舌を出しつつ自分の頭を軽くコツンと叩いてドジッ子を演出してみたり、更に 宙ぶらりんなので意外と高い視点に驚きの声を上げてみたりしつつ肝心の内容についてはミサカは黙秘権を行使しますと ミサカはミサカは専門用語を使って話をはぐらかしてみたりする」 4LDKの教員用マンションのキッチンを見るに耐えないぐらいぐちゃぐちゃに散らかしておき、可愛く仕草で必死にごまかそうとする幼女と 普通ならありえないキッチンの惨状を指差してコメカミに青筋浮かべてる学園最強の能力者の姿がここにあった。 「うう、くすんくすん。 夜までに仕上げないといけないから頑張ってみたのに・・・・なんでこんなときに芳川も黄泉川も居ないんだろうと ミサカはミサカは他のミサカ達に意見を求めてみたり」 空気をまったく振動させない声が仮想空間に響く 「ミサカ10039号から全ミサカへ、ミサカはチョコレートの作成に成功しましたと感嘆の声を上げ勝ち誇りつつ報告します」 仮想空間のどこかから少し明るい声が聞こえた。 「ミサカ13577号からミサカ10039号へ、そのチョコレートは誰に贈るつもりなのですか?とミサカは答えは解りきっているのですが一応確認します」 「ミサカ10032号からミサカ10039号へ、ミサカからも同様の質問を送ります。 まさかとは思いますがあの人に贈るつもりなのでしょうか?だとしたら抜け駆けは断固容認できません。とミサカは自分の胸元にキラリと輝く あの人からプレゼントしてもらったペンダントを握り締めつつ、自分もチョコレート作成の合間に質問します」 「あの人からのペンダント!?そんな報告は受けていませんミサカ10032号、むしろそちらの方が抜け駆けなのでは?とミサカ19090号は 激しく事情の説明を求めます」 声は仮想空間のあちこちから流れてきて、そのどれもが同じ声だった。 「やかましい、これは彼が私だけにくれた愛の証なのです!! 湯煎で溶かしたチョコレートをハート型の型へと流し込みながら ミサカ10032号ははっきりと宣言します」 再びネットワーク全体が大ブーイングを発する。 結局のところ、ほとんどのミサカが10032号のペンダントを羨ましがっているようだ。 「ここではミサカはミサカ20001号って名乗った方がいいのかな? というか他のミサカ達が夢中になってる人の事はどうでもいいから ミサカに助言してほしいかもーとミサカはミサカは切実に頼んでみたりする」 だけど今は他のミサカが夢中になっている男性よりも自分にとっては一方通行へのチョコレートを作ることの方が大事だ。 「ミサカ10038号からミサカ20001号へ、どうでもよくなどありません、彼の側に居ることのできるのは只一人という過酷な戦いなのです。 全ミサカはきっと虎視眈々と他のミサカを出し抜く機会を窺がってるに違いありませんとミサカは自分こそが彼の側にいるに ふさわしいミサカだという想いを込めたチョコレートを作成しつつスラスラと訂正を求めます」 世界中の全ミサカが次々へと発言する度にそれに反応したミサカ達が返答する。 そこには距離なんて物は存在していなかった、ミサカによるミサカのためのミサカネットワーク、それはミサカとミサカ同士で 記憶や経験を共有できる能力。 「ミサカ20001号から全ミサカへ、なんだ結局みんなチョコレートつくってんじゃんか、と安易な突っ込みを入れることに少し 生命の危機を覚えつつミサカはミサカはそれでもお願いしてみる。 お願いだからあの人をうならせるチョコレートの作り方を教えて欲しい」 「ミサカ10032号からミサカ20001号へ、その気持ちわかります・・・・ミサカのチョコレートは後は冷やして固めれば完成なので ミサカが協力しましょうとミサカはオリジナルより少し優位に立ってる自分の胸をドンと叩いて面倒見のよいところをさりげに示してみます」 「わーい、ぜひお願いしたいかもー、これでマトモなチョコレートが作れてあの人をぎゃふんと言わせれるかもドキドキ、と ミサカはミサカはチョコレートをかじるなんて姿がまるで想像できないあの人の姿を無理やり捏造して脳内処理して ハッピーエンドにもって行きながらあまりの嬉しさにそのままネットワークから落ちてみたり」 「ミサカ20001号!? 具体的に打ち合わせが済んでないのに一方的に通信を切断するとは!?とミサカは上位個体のあまりの自分勝手さに 呆れつつ冷凍庫へと会心の出来のチョコレートを突っ込みながら驚きの声をあげます 」 「とりあえずミサカのチョコレートは難を逃れたようです、よかったよかった、これであの人のハートはいただきですと ミサカ19090号は勝利を確信します」 「ミサカ13577号から全ミサカへ、ミサカ10032号とミサカ19090号の抜け駆けを許してはなりません。 断固とした処置を」 「ふーんだ、悔しければ自分達もチョコレートを作成してあの人に贈ればいいではありませんか?とミサカは あくまでも自分の優位は揺ぎ無いものと信じつつ他のミサカ達を挑発します」 その日世界中に散らばった[妹達]はその全てがある一人の少年の為にだが、チョコレート作りの真っ最中だった。 自分の精神をミサカネットワークから一旦切り離した[打ち止め]はゆっくりと目を開けて自分の体との同調を確認する。 周囲を見渡せば調理器具が散乱していたキッチンはすっかり綺麗になっていた。 ネットワークに繋ぐ前に[打ち止め]と[一方通行]が片付けたからである。 彼は彼なりに[打ち止め]の事を大事にしてくれているのだろうが、でもこの事だけは引き下がるわけにはいかないし協力者の当てもできた。 そもそも贈るべき当人が居る場所で作っても駄目だということに今更ながら気づいた。恋はインパクトが大事なのだ。 その彼も今はソファーで再び寝息を立てて夢の中だ、このまま寝顔を観察するのもそれはそれで有意義な時間だが 今は今日中にチョコレートを作成しなければならない。 そう今は行動の時だ、と決意を新たにすると[打ち止め](ラストオーダー)は パステルカラーのエプロンと三角巾と昨日のうちに用意しておいた容器等をポシェットへ詰め込み、 「しめしめ、これはチャンス。 ミサカはミサカはアナタが寝ている間にとびっきりのチョコレートを作ってびっくりさせてみたり! でも心配するかもしれないから一応一筆書いておいてみたり、これで完璧、ミサカはいい子いい子」 そう言うなり[打ち止め]は寝ている[一方通行]を起こさない様に慎重に足音を殺し、玄関のドアを開けるとトテトテと通路を走り、 階段を使って地道に1階を目指す。 こんなとき上の方の階は不便だが[打ち止め](ラストオーダー)の背ではエレベーターのボタンが押せないので この際仕方ないと諦めることにした。 その小さな足の行き先はもちろん協力者たる彼女のところだ、幸い彼女の居場所ぐらいは彼女の上位固体である自分にはある程度はわかる。 「にひひひ、今日のお出かけ指数は120%!! [打ち止め]の幸せ指数は30上昇した。てろりろりーん♪ ミサカはミサカは気分上場でレッツゴーとか張り切ってみたり」 期待に満ちた顔をして[打ち止め](ラストオーダー)はマンションを後にするのだった。 上条達が居た広場が近くにあるバス停の近くにはなんだかご都合主義的にいくつかの喫茶店が並んでいる。 その喫茶店の一つである洋風の小さな喫茶店『Holy land』はおいしい自家製のケーキといかついマスターが自分で挽く本格的なコーヒーが売りだ。 そんな喫茶店の窓際は普段の客とは少し違った連中が占拠していた。 赤い髪に黒いローブの外国人と純白に金色の縁取りが入った豪華な修道服に身を包んだ銀髪の少女が隣同士に座り さらにその向かい側の席では金髪に薄い青色のサングラスを掛けた学生服の少年がテーブルを同じくし会話を楽しんでいた。 少なくともカウンターでグラスを磨いていたマスターにはそう見えた。 「ある特定の条件をクリアした場合のみに自動で発動するタイプの大魔術だと?」 土御門はブラックのコーヒーを啜りながら向かいの純白シスター、インデックスへと疑問を投げる。 「そうだよ、聖バレンチヌスゆかりの日にのみその効力を発揮して世界中からある物を特定の条件をクリアした対象へと転送する。 それが例え世界のどこにあろうが関係ない、たとえ南極の氷の中だろうがエジプトのピラミッドだろうが対象の生死すら 問題にはならないんだよ。 但しどこの地域で誰を対象に発動するかは完全に予測不可能。 これは世界自体を魔方陣として見立ててるからだと思う」 小さなモンブランにフォークを突き立てインデックスが答える。 「つまり、世界中のどこかで初期の魔方陣の見立てと違った場所があればそれで効果も対象も変わるってわけだね」 赤い髪の魔術師は騒ぎの中心へと目を向けて呟いた。 彼は優雅にダージリンティーだ。 「で、今回の対象はカミやんなわけか・・・・・でも[幻想殺し](イマジンブレイカー)はどうなってるんだにゃー?」 土御門の問いにインデックスは修道服の襟を正しながら語る。 「トウマの右手の事だね、あれは確かに法王級の霊装ですら一撃で破壊するぐらい理不尽な能力だけど大型結界の類は多分 核か何かを直接触れないと壊せないんじゃないかな? でなければステイルの報告にあった三沢塾や神裂の報告にあった御使堕し(エンゼルフォール) なんかも当麻がその一端に触れた瞬間に壊れないといけないんだよ。 送られてくる物品自体は異能の物じゃないから対象外なんじゃないかな?」 「ふむ、彼の右手は自動再生型の異能は確かに核に触らないと無効化できていなかった。発動条件が直接触れる事だからね。 法の書の一件でアニェーゼが使ってた座標攻撃の魔術は彼も対象になっていたことがあったな」 タバコをぷかぷかとすいながらステイルも参加する。 「『告白儀式』(ハートトゥハート)の基本設定は『想いの篭もった品の転送』―」 「それって黙っていても、自分の手に届く品を品物だけ先に貰ってるってことかにゃ?」 「そうだよ、だからこそこの大魔術は封印されていたのかも。 隠した秘めた想いや直接渡したかった想いを踏みにじってしまう迷惑極まり無い 邪法なんだよ」 ゴクリとインデックスが唾を飲み込み神妙な顔をして説明する。 「まったく、とんだ大魔術だにゃー『告白儀式』(ハートトゥハート)ってのは」 「そうだね、これがもし自分の身に起こったらと思うとゾッとするね」 ステイルと土御門は顔を見合わせて二つの声で 『でもまぁ、上条当麻だからいっか』と同じ一つの言葉を口にした。 真面目に聞いて欲しいかもー、と怒ったインデックスが両手を振り上げて緊張感が抜けてしまった 男2人に対して抗議して プンプンと頭から湯気を上げていた。
https://w.atwiki.jp/index-index/pages/3321.html
―第1話~第3話― ア行 一方通行(アクセラレータ) 一方通行(アクセラレータ)【能力名】 警備員 エステル=ローゼンタール カ行 カエル顔の医者 学園都市(がくえんとし) 禍斗(かと) 棺桶 棺桶【プロトタイプ】 窮奇(きゅうき) 渾沌(こんとん) サ行 念動能力(サイコキネシス) 妹達(シスターズ) 十二辰虫式カモフラージュ 死霊術(しりょうじゅつ) 聖音高等学校(せいいんこうとうがっこう) タ行 超能力(ちょうのうりょく) 超能力者(ちょうのうりょくしゃ) ディシプナリー・アクション(DA) 饕餮(とうてつ) ナ行 ナンバーズの悪霊 西雄(にしお) 二之腕高校(にのうでこうこう) ハ行 発火能力(パイロキネシス) 菱形(ひしがた) 人皮挟美(ひとかわはさみ) 蛭魅(ひるみ) ヤ行 芳川桔梗(よしかわききょう) 黄泉川愛穂(よみかわあいほ) ラ行 最終信号・打ち止め(ラストオーダー) 強度(レベル) 超能力者(レベル5) A~Z DA(ディシプナリー・アクション)
https://w.atwiki.jp/aniwotawiki/pages/422.html
登録日:2009/10/04 Sun 20 16 25 更新日:2024/09/13 Fri 21 40 38NEW! 所要時間:約 3 分で読めます ▽タグ一覧 20001号 3H かわいい とあるシリーズの登場人物 とある魔術の禁書目録 アホ毛 クローン ヒロイン ピチュー ミサカ ミサカはミサカは ミサカネットワーク ラストオーダー レベル3 ロリ 一通ホイホイ←というか岡本ホイホイ 上位個体 妹 妹達 幼女 強能力者 御坂美琴 怪人チビ毛布 打ち止め 打ち止め(ラストオーダー) 日高里菜 最後の希望 最終信号 欠陥電気 母性愛溢るる幼女 毛布 真のヒロイン 科学サイド 打ち止め(ラストオーダー)とは、とある魔術の禁書目録の登場人物である。 CV 日高里菜 目次 概要 ネタバレ 概要 御坂美琴の体細胞クローン。「最終信号(ラストオーダー)」と表記される事もある。 見た目は10歳前後の女の子だが、ミサカシスターズの上位個体にしてミサカネットワークの管理者(本人曰く「ホストというよりコンソール」)。 検体番号(シリアルナンバー)は20001号。 ミサカシスターズが反乱・暴走を起こした際に、人の手で彼女らを止めるために作られた。 体の調整が終わっていないため、本来培養器の中から出られないのだが、一方通行をレベル6へ進化させる実験の失敗により、街中を毛布一枚で彷徨っていた際に彼と出会う。 現在、一方通行の演算能力は彼女を管理者とするミサカネットワークで補っている。 一方通行サイドの話のヒロイン的存在で、彼をとてもよく慕っている。 いつも漫才のような会話をし、シリアスな場面では一方通行に信頼と献身を見せる。 喋り方は「○○、ってミサカはミサカは××してみる(みたり)」。 他の妹達同様に淡々としゃべるが表情は多彩であり、裸を見られれば焦るし、子供らしい態度をとるなど、妹達中では最も人間らしい個体である。 所有能力は他妹達と同じ「欠陥電気(レディオノイズ)」であり、レベル3相当。 ネタバレ ▶ ネタバレ1 一方通行と並ぶアレイスターの計画を担うキーパーソン。 レベル6進化計画失敗の後、研究員の天井亜雄により妹達を狂わせるウイルスを注入されている。 このウイルスは妹達を完全に制御下に措くもので、実験後に学園都市の外にて治療されている妹達に打ち止め経由で感染。 感染した妹達で外の機関を総攻撃を行う筈だったが、一方通行に阻止され、天井は芳川桔梗に射たれる(生死は不明)。 これを機に一方通行に多大な信頼と献身を見せるようになった。 その後はカエル顔の医者の下で打ち止めは治療され、その後は黄泉川愛穂のアパートに一方通行共々お世話になる。 前方のヴェントによる学園都市襲撃の折、ヒューズ=カザキリを顕現させるために木原数多率いる猟犬部隊(ハウンドドッグ)により拉致される。 同日、ヒューズ=カザキリを止めるために現れたインデックスに命を救われたが同時に、一方通行が彼女のもとを離れてしまう。 ちなみにこの事件の少し前に上条当麻に出会っており、ミサカシスターズを助けた事の礼を言った。 またさらに少し前には美琴とも出会っているのだが、御坂妹とのゴーグル争奪戦で有耶無耶にされている。 一方通行が垣根帝督を倒した際は暴走した一方通行のもとになんの警戒もなく近付き、暴走を止めている。 ▶ ネタバレ2 22巻では、遂に一方通行のデレを引き出した。 強大な魔術に、自らを犠牲にしてでも立ち向かおうとする一方通行を、打ち止めは引き止める。 だが、一方通行は打ち止めの制止を拒む。 打ち止めの愛によって、頭の輪っかと白い羽のマジ天使な姿になった一方通行は、打ち止めを残して、空へと飛び立った。 ずっと一緒にいたいよ、ってミサカはミサカはお願いしてみる そォだな 俺も、ずっと一緒にいたかった ▶ 新約ネタバレ 新約1巻からは学園都市に帰還後、一方通行、黄泉川、芳川、番外個体とともに住んでいる。 新約5巻ではオンラインゲームを楽しむ姿を見せた(ただし参加していたフレンド名は揃ってミサカミサカミサカ…「これって壮大な一人プレイなんじゃない?」by芳川)。 またこの巻でフレメアやフロイライン=クロイトゥーネと友達になる。 新約6巻ではさらにカブトムシ05とも友達になり、彼やフレメアと共に、苦しむフロイライン=クロイトゥーネを助けようとする。 …はずが、フレメアと共に一端覧祭を楽しみまくり、カブトムシ05を振り回した。 追記・修正してほしいかも、ってミサカはミサカは手を合わせて頼んでみたり! △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 [部分編集] 悪いミサカ。 ライチュウ。 -- 名無しさん (2013-08-08 22 58 20) いえーい! -- 名無しさん (2013-09-08 12 04 04) 天井さんが氏んだかどうかは分かんないんだよなぁ・・・ -- 名無しさん (2013-11-27 23 28 28) 自分の姉妹1万人殺した相手に「本当はやりたくないの気づいて欲しかったんでしょ」って言うこの子もかなりぶっ壊れてるよなあ。しかもネットワークの管理してる中枢なのに。 -- 名無しさん (2013-11-28 00 30 01) ↑その辺の話はぶっちゃけ、後付けだから仕方ない -- 名無しさん (2013-12-11 00 11 54) ↑2 本文で書いてる「最も人間らしい妹達」とはかけ離れてると思うんだけどな。地の文で異常扱いされてないのが不思議だけど、殺されすぎて人格バグってんのかな?(型月のアルクェイドみたく) -- 名無しさん (2013-12-11 02 13 46) ↑そんなひどい推測はじめて聞いたわ -- 名無しさん (2014-03-31 08 34 09) とある科学の一方通行では地味ーに口調がほとんど間違ってるっていう… -- 名無しさん (2014-08-05 14 48 58) ↑一方通行の口調もな 絵も汚いしやる気あんのか -- 名無しさん (2015-01-16 14 16 39) 禁書で分かりやすい口調ベストスリーに入るのにね -- 名無しさん (2015-01-16 14 58 37) 多くの人を魅了した日高里菜ボイスの持ち主 -- 名無しさん (2017-10-25 01 07 53) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/kinsho_second/pages/1096.html
数分後、六人は学校の昇降口にいた。 正門の方に歩いていると、正門のところに誰かが立っていた。 それは… 「お待ちなさいな○○様♪」 先ほど小萌先生からメールを受けた。黒子が学校の前にいたのだ。 「あれ?黒子はん、なんでここに居るんや?」 「先ほど、小萌先生からメールが来ましてですね、メールの内容はこうでしたの。」 黒子はメールの内容を見ると、青ピは表情が変わった。 ちなみに、メールの内容は『今、青髪ちゃんがフルボッコにされていたのですけど、その後私が心配したら『小萌先生の心配する声だけで幸せですぁ。』っといったのですよ』っと書いてあった。 「く、黒子はんこれにはちょっとした理由がありまして……」 「問答無用ですわ!!」 「不幸d、」 黒子は青ピの腕を掴み、青ピを連れてテレポートしてしまった。 ちなみに今までを一部始終見ていた当麻、土御門、一方通行、浜面、半蔵は手を合わせて『ご愁傷様』っと手を合わせて言っていた。 「遅かったじゃんよ一方通行……ちょっと待て。人数増えてないか? 上条はともかくだな」 「言いたいことは分かっけどよォ、てめェだって一人連れてンじゃねェか。なンで双子の姉が居ンだァ?」 黒子の居た場所より少し離れた所で待っていたのは同じく目的地を同じにする黄泉川、そして何故か真昼だった。 お互いに連れて来た人間のことについての説明を始める。 「井ノ原姉は人間の感情のベクトルってやつが見えるじゃん。この子に打ち止めの周りに居る人間がどんな感情持ってるか見てもらうってわけさ」 「まあ真夜と赤音は別口でまだ学校だからな。俺が役に立て無さそうなことだったからよ、こっちの手伝いに来てやったんだ。感謝しろよ」 「確かにコイツの感情のベクトルが見える能力は便利っちゃあ便利か。分かった、連れて行く……ってあの二人は何で来ねェンだ?」 「月詠の能力について色々と調べるって木山先生の手伝いだよ。白雪も月詠の彼女も手伝いに連行されてたな、小萌先生に」 翔太の強力ではあるが制御の甘い【火炎地獄(デビルフレイム)】を何とかしたいと真夜が木山に進言、木山も科学者としての血が騒ぎ快く了承する。 土御門は月夜が来られないことを知り、行くのを迷うがこっちの楽しそうという理由で残ることに。 「で? お前が連れて来た四人を連れて来た根拠は? 上条は打ち止めが慕ってるから分かるが残りはまさか面白そうだからって理由とか言わないじゃん?」 「バカ言え。コイツらがそンなことで付いてくるわけねェだろうが。なァ、てめェら」 「「「もちろん!!!」」」 「……分かった、一応信頼してやるじゃん。けどこれで更に人数追加は決定的じゃんよ……」 土御門、浜面、半蔵は本当は面白そうだから付いて来たのだが、そんなこと言ったら一方通行と黄泉川に何をされるか分からないので白を切りとおす決意をする。 そして黄泉川の予言どおり、浜面を追って滝壺が、半蔵を追って郭が合流、さらに当麻は、 「もしもし美琴か? 今から打ち止めの登校初日を隠れて見に行くんだけど来るよな」 『打ち止めの! 当然じゃない! 待ってて、すぐ行くから!』 電話で美琴を呼び寄せて一気に人数が膨れ上がる結果に。 黄泉川は自分を含め総勢10名(まだ合流してない美琴含む)の大所帯で打ち止めにばれないか心配になってきた。 「まあ、増えちまったもんはしょうがない。いいかお前ら、絶対に打ち止めにばれないようにするじゃん。分かったな!」 意気揚々と頷く面々を見た黄泉川だったが、それでも不安は完全には拭い切れなかった。 かくして『打ち止め初登校見守り隊』が結成、打ち止め(+芳川)の居る小学校へと向かうのだった。 一方、翔太は真夜、赤音に連れられ、さらに結標も翔太が行くという理由で学校のグランドに向かっていた。 「あの~、僕を連れてどこに向かっているんですか?」 「これから翔太の火炎地獄の制御のために今からグランドに向かっているんだよ。」 「でも、何で始業式初日からそんな事をするのですか?別にそこまで急がなくてもいい気がしますが。」 そんな事を話していたら、いつの間にかグランドに着いていた。 そこには先に木山、小萌、月夜が居た。 「あれ?小萌おばさんは居るのは分かるんですが、木山先生まで居るんですか?」 翔太は小萌が居るのはなんとなく分かっていたが、木山まで居るとは思わなかった。 「木山先生はこういう事には詳しいのでさらにアドバイスをしてくれるので連れてきたのですよ。」 「そういうことだ。まぁ、俺、赤音さん、真昼さんも木山先生のおかげでレベルが上がったしな。」 翔太はなるほどと思い、 そして小萌は真夜のレベルが上がったっという言葉に何かを思い出した。 「そういえば、システムスキャンの事なんですけど、今までレベル3くらいまでしか測れませんでしたが、今年の一年生は全員レベル3~4なので今回からレベル5まで測れるようになったのですよ。」 「「「えっ、そうなの!?」」」 バレンタインの時に常盤台でシステムスキャンをした真夜、赤音、月夜は驚いた。 「だから真夜ちゃん、赤音ちゃん、月夜ちゃんはこれからわざわざ常盤台に行かなくて済むのですよ。」 「そうなんだ。」 「そんなこと言ってないでさっさと始めませんか?」 そういうと翔太の火炎地獄の制御のために特訓を始めるのだった。 「しょーたっ♪ 私も一緒だから頑張ろっ♪」 「あああああああああ淡希っ!!! だ、ダメだよ! み、皆が見てる前で、その……」 「いーから大人しくしてなって♪ それとも翔太は私がこんなことするの、嫌い?」 いきなり結標にいきなり抱きつかれたことに抗議する翔太だったが、恋人の甘い言葉にすんなりと受け入れてしまう。 その場に居た面々はこうゆうことには完全に慣れていたので、特にツッコミを入れることもせずに微笑ましく見る余裕さえあった。 「じゃあそろそろ始めようか。まずは手本からだ。白雪、あそこにある三体の人形を一体ずつ凍らせろ」 「はーいっ。とりゃーーーっ♪」 木山はまず能力のピンポイント使用のお手本として、10m先に置いてある三体の人形(能力訓練用)を月夜に凍らせるように指示する。 月夜にとってはこの程度は簡単なので問題なくやってのけるが、それが出来ない翔太はただただ驚くばかりだった。 「すごい……。僕、あんな風に対象を上手く絞り込んで能力使えたこと無いですよ……」 「そうか? なら人形の間隔を開けるか。真夜、人形を1m間隔から3m間隔に開けてきてくれ」 「はい」 真夜は木山の指示通りに人形を動かしに向かう際に【瞬間超人(リーンフォースセレクション)】で五箇所強化をそれぞれ90で設定。 というのもこの人形、一体300kgもの重量を誇っており、真夜が残された理由はまさに力仕事だったのだ。 「よ、よ~し……が、頑張ろう。やあっ!!」 「なっ! まだ早いっ!」 「真夜君逃げてーーーーーーーーーっ!!」 「えっ? うわわわっ!!」 緊張した翔太が真夜が人形の近くに居ることを失念し、【火炎地獄(デビルフレイム)】を人形に使用、三体まとめて焼いてしまう。 炎が消えて現れたのは炭と化した三体の人形らしきもの、真夜の姿はそこには無かった。 「……うそ。し、真夜君……」 「あちちちちちちちちちっ!!! もう少しで丸焼けになる所だった! 白雪さん、悪いけど雪で冷やして!」 「う、うん……」 真夜が焼死したと思っていた面々が呆然とする中、当の本人は所々に火傷を負いながらも自分達の所へと転がり込んできた。 【火炎地獄(デビルフレイム)】の発動に瞬時に気付き、驚きに回避能力を見せた真夜を見てそこに居る人間全員が思った、本当に人間なのかと。 「……どうやら前途多難のようだ。人形も耐熱用に替えた方が良さそうだな。月詠、まずは二体を一体ずつ攻撃出来る所から始めよう。距離と間隔は今のままでだ、いいな?」 「は、はいっ!」 「というわけで真夜ちゃん、大変な目に遭った所で悪いですけど倉庫から耐熱用の人形を二体、持ってきてもらえますかー」 「りょ、了解で~す」 翔太に焼かれたばかりではあるが能力を使用中なので火傷はすでに完治した真夜は、疲れた顔一つ見せずに倉庫へと走って行った。 それを見ていた結標は自分が『座標移動』で運んだ方が早いと思ったが、翔太の近くにずーっと居たい&面倒臭いので黙ることにした。 真夜が耐熱用の人形(重量は前のと同じ)を指定の位置に置き、今度こそ真夜が避難した所で翔太の訓練が再開された。 その頃の『打ち止め初登校見守り隊』、順調に打ち止め(+芳川)がいる小学校へと進んでいると当麻に呼ばれた美琴が合流を果たす。 「当麻~!!」 「美琴~!!」 二人は顔を合わせると、思いっきり抱き合った。そしていつもと同じとおり激しいキス…… はっきりいって見ている方が恥ずかしい。それは周りの人間も同様で、目を閉じてチラチラと見ている。 まぁいつもの事なのだが………。 「んふふ~♪」 「美琴が来たので再開しましょう」 こうして十人は打ち止めの通う学校に行くことにした。 数分後、打ち止めというと……、 「今日から転校して来ました、ヨシ………芳川美咲花です!!ってミサカはミサカは自己紹介をしてみる!!」 いつもどおりの口癖で自己紹介していた。 もともとプロポーションが整っている美琴のクローンである美咲花。 必然的にクラスの男子の心を奪っていく。小学生なので口調につっこむことはない。 「あ!ミサカには運命の人がいるから、ミサカのことは諦めてください。ってミサカはミサカは入学そうそう重大発表をしてみたり」 男子達の心に冷たい風が吹き、女子達は女として尊敬の念を送っていた その頃『打ち止め初登校見守り隊』は打ち止めの学校に向かっていた。 「アクセラ、あとどのくらいで着くんだ?」 「あと10分位で着くだろォ。にしても黄泉川、なンで俺達の高校と真逆の方にある小学校にしたンだァ?」 そうだから『打ち止め初登校見守り隊』はまだ着いていないのだ。 「それはお前が学校があるのに打ち止めの学校に来ようとしないようにする為じゃん。真逆なら家で分かるからしっかり学校向かったか確認できるじゃん。」 「別にそれなら途中から道を外れれば簡単じゃねーかァ。」 「そのために私が一方通行の後ろにいるから道を外れたかなんて分かるじゃん。」 「お前は俺のストーカーかァ!!」 一方通行は黄泉川の行動がどう見てもストーカーだろと思い突っ込んだ。 「まあ、さすがにそこまではしないじゃん。どうせ、学校に行ったら居るかどうか分かることじゃん。」 「要するに、俺がちゃんと学校に行けば良いンだろ。」 「そういうことじゃん。」 というと話がなくなり、静かに歩いていた。 だが数秒後、当麻が向こうから知り合いが歩いてくるのを見た。 「ん?あれは…吹寄と紫木?なんだあのありえないコンビは?」 当麻が見たものそれは吹寄と「情報屋」こと紫木だった。 また二人はまだこちらに気づいてなかった。 「確かにありえない二人だにゃー。何故一緒に歩いているんぜよ?」 「確かに気になる。あの二人ってそんな仲良かったっけ?」 「「「「「「「「「う~ん……」」」」」」」」」 そんな事を考えていたら、二人は手をつなぎ出した。 それを見た美琴以外の人達は驚いた。 「いやー意外な組み合わせじゃん」 「おお、驚いた」 「待って、俺ついていけねえ」 「ナンだコレ……つかナンじゃこりゃァあああ!?」 「上条さんは全くわかりません」 「これは夢だ」 「半蔵様、これは現実です」 皆各々の驚き方をしているが、美琴はさっきから平然としている。 そんな美琴から話しかけてきた。 「一応言っとくけど、あれ付き合ってるわけじゃないわよ」 「「「「「「「「「……じゃあ何?」」」」」」」」」 「み、見事にハモった!?……じゃあ話すけど、別に驚く事じゃないわよ?あれは何だか情報の交換してるだけみたいよ? 手を繋いでるのはメモリを交換しただけ。ほら、手を離してるでしょ?」 美琴の言った通り、二人は手を離し、そのまま手をポケットに突っ込んで、また手をつないだ。 こんな所で麻薬の取り引きみたいな方法まで使う情報はよっぽどこうかな物なのだろう。 「一体何の情報だ?それに何で美琴が知ってるんだよ?」 「そんなに特別な事じゃないわよ。前に浜面さん達が転校しにきた時もああやってたの見て、『もしかして彼氏ですか?』ってきいたら、 『ただの情報交換よ』って言ってメモリだけ見せてくれたわ」 「つまり浜面達の情報を集めていたと?」 「みたいね、今学期もあの人のクラスに転校生でも来たんじゃない?」 「……ンじゃサッサと行くぞ」 そう言って皆はまた歩き出した。 … …… ……… 「今回のも結構危ない子ね」 吹寄は通販で買ったパソコンをしまいつつ、今回の転校生、月詠翔太の事である。 前回やってきた浜面と服部もかなり危なく、ヤバイ仕事までしていたらしいが今は更生したらしい。 とは言っても安全の保証はないため、油断はできないが……。 だが今回来た翔太もかなり危なかった。スキルアウトやギャング(これって死語?)の類ではなく、彼の能力がだ。 チカラの制御のできない能力者にはよくあるパターンだが、能力を使用した時に周りに被害が起きることである。 例を挙げれば、今の能力の制御は前に比べればかなり収まった方らしい(前は学校丸ごと燃やした経験もある)。 さらに、レベル4の不良から身を守るために能力を使った時には、相手はかなりの重症で冥土返しでもなければ死んでいたほどの威力。 更にこのレベル4、全てを燃やす翔太の能力に恐怖を覚えてしまったため、自分だけの現実が木っ端微塵になってしまったらしい(しかもこれもおさえた方らしい)。 「……彼が本気を出したらどうなるのかしら?」 考えただけでぞっとしたので、これ以上は考えないことにした。 ちなみに言っておくと、吹寄の渡した情報は『使える通販商品』だそうだ。 学校に着いた『打ち止め初登校見守り隊』は、さっそく打ち止めの教室に向かっていた。 廊下を移動していると、途中で芳川が壁に片手をつき身体を震わせながら立っていた。 その姿をいち早く見つけたのは、黄泉川だった。 「おーい芳川、どうしたじゃん?・・・身体が震えてるじゃん!」 黄泉川以外の『打ち止め初登校見守り隊』も芳川の異常な姿に少しばかり困惑している。 だが、芳川は反応を示さない。どうしたじゃん?と黄泉川が肩に手を置くと・・・・・・ 「フッ・・・・・・・・・フフ、フフフフフフフフッ・・・」 突然、我慢していたかのような笑い声が聞こえてきた。 これには一同、唖然となるしかなかった。 「ど、どうしたじゃん?お前らしくないじゃん!」 「おいおい、なんだァ・・・。芳川があんな風に笑うとか、ありえねェだろォ」 普段の彼女を知る二人は、他のメンバーよりさらに困惑な表情で様子を伺っている。 「フ、フフフ・・・い、いや何あの子が自己紹介の後にフフフ・・・、 言った言葉で生徒たちの様子ががらりと変わった為せいでな、フフフ」 「な、何を言ったじゃん?」 「『今日から転校して来ました、ヨシ………芳川美咲花です!!ってミサカはミサカは自己紹介をしてみる!!』 と言った後に、まるで牽制するかのように『あ!ミサカには運命の人がいるから、ミサカのことは諦めてください。 ってミサカはミサカは入学そうそう重大発表をしてみたり』と追加したんだ。フ、フフフフフフフ・・・・・・」 「「「「「「「「「「ナニーーーーーーーーーーーーィ!?」」」」」」」」」」 『見守り隊』一同は驚きの事実に呆然と立ち尽くしている。 そんな沈黙の中、いまだに芳川は笑い続けていて息も切れ切れになっている。 沈黙と笑いを終わらせるように、ひとつのため息が聞こえてきた。 「ハァーー・・・、あの子ってば初登校早々、何行ってるのよ・・・」 「そういうところは・・・・・・、美琴と似てないようで似てるよな」 「ま、まあ・・・あの子らしいと言えばあの子らしいじゃん」 「初登校早々に牽制を量るなんてやるわね、あの子」 「俺はついていけない・・・、半蔵はどうだ?」 「おなじく・・・」 「にゃー、さすがにこれは予想外だにゃー(本当は予想通りなんだがここはあえて言わないにゃー)。にゃぁ?その『運命の人』の御感想はあるかにゃー??」 運命の人こと一方通行、白髪が映えるほどに顔を真っ赤にさせて顔を抑えつつ、体はプルプルと震えていた。 当麻達は恥ずかしさが限界突破したのかと思っていたが、そこに感情のベクトルが見える真昼から事実が告げられる。 「アクセラのやつ、すっげー嬉しいんだな、あの子が言ったことが。上条の彼女が上条に向けてるベクトル並みに真っピンクだぜ」 「嬉しいのかよ! 何かコイツも本当に変わったよな、やっぱ打ち止めへの愛を開き直ったせいか?」 「でもってあの子の言った宣言、結構いい方向に向かってるぜ。あのクラスのチビ達殆どがオレンジのベクトル、つまり好意的に受け入れてる」 本当は男子の大半にオレンジに青、つまり悲しみが混じってるのを見て真昼は振られたショックも抱えてると判断したが敢えて黙ることにした。 真昼の発言を受けて上琴、黄泉川は打ち止めの学校生活の前途が明るいと分かると一安心した(一方通行と芳川は話せる余裕が無い)。 「いやー、打ち止めがいじめられるかと心配してたが取り越し苦労だったじゃんよ」 「まったくですね。もしも打ち止めが可愛すぎて女子のいじめの対象になってたら私、どうにかしそうでした」 「美琴、怖いことサラッと言うなよ……。けど俺も同じ意見かな。とりあえず男は右で軽く殴ってたかも……ってどした? 井ノ原姉」 「あの子の名前って美咲華だよな? 何でみんな『打ち止め(ラストオーダー)』って呼んでんだよ?」 真昼のもっともな疑問に当麻達はどう説明したものかと悩んでいたが、真昼の能力が唯一通用しない当麻が土御門の考えた理由で説明する。 打ち止めのあだ名の由来を『アクセラの最初で最後の恋人』として真昼に説明、真昼もすぐに納得してくれた。 「そっか、そーゆう理由か。変なあだ名とは思ったけどこれで納得したぜ」 「……おい土御門、いいのかよ? あんな理由を勝手にでっち上げて。アクセラが何言うか分かんねーぞ」 「別に俺は嘘を言ったつもりなないですたい。アクセラの最初で最後の恋人ってのもあながち間違ってないと思うぜよ」 当麻と土御門がヒソヒソ話をしている中、ようやく回復した一方通行が真昼の言っていたあることが気になったのか、そのことを尋ねる。 「おい姉。さっき殆どのガキが好意的だって言ったよなァ。つまり何人かはそうじゃねェってことだよな? どいつがそうなんだ?」 「俺はお前の姉じゃなくて真夜だけの姉だっつーの。ま、んなことはどうでもいいけどよ。お前が探してるのは三人だけどよ……驚くなよ」 「驚くだァ? この俺がたががガキごときに驚くわけが……な、何だあムグッ!!!」 真昼が指差した三人のうちの二人を見た一方通行が驚きのあまり、大声を上げようとしたので慌てて当麻が口を塞ぎ、残りの面々も姿を隠す。 幸い、迅速な対応の為、気付かれることは無かったが騒ごうとした一方通行を当麻達が嗜める。 「バカアクセラ! いきなり叫ぼうとしてんじゃねぇよ!」 「……しょうがねェだろ、アレを見たらよォ。姉、こいつらにも教えてやれ」 「わーった。いいか皆、覚悟して見ろよ。一際大きい男は愛情っつーよりも萌え、ツインテールの女はガチの愛情、扇子持ってる女はライバル心を持ってる」 真昼が指差した三人を見た当麻達、覚悟してなかったら吹き出していたほどの衝撃を受けていた。 一際大きい男子はニヤケ顔で赤髪、ツインテールの女子は黒髪、扇子持っている女子は金髪だが、 「なぁ滝壺、あのでっかいガキだけどよ、気のせいか青ピの色違いに見えねぇか?」 「確かに。それにあの黒のツインテールの子、しらいをちっさくしたような感じがする。けど二人とも多分青髪としらいと血縁は無いと思う」 「あの金髪の扇子持った子なんて婚后さんの海外版……? おまけにライバル視って所まで似なくてもいいじゃない」 小さくて色違いの青ピ、黒子、婚后という何とも有り得ない姿をしていたのだ(決して本人達との血縁関係は無い!)。 嫌な予感をビンビン感じながらも当麻達はただ見守ることしか出来なかった。 「じゃあ早速だけど美咲華ちゃんに質問タイム、いっとこーか♪」 ノリの良い打ち止めの担任の提案にクラスの賑やかさは一気にオーバーヒートすることに。 「はーい!!美咲華ちゃんの運命の人って誰ですか!!」 「その人はどんな人ですか?」 「レベルはいくつですか!!」 「どんな能力ですか?」 「運命の人って年上?年下?それとも同年代ですか!!」 「すきな食べ物は何!!」 「最近読んでる本は何ですか?」 「運命の人ってカッコいいんですか?」 「ご趣味は何でしょうか!?」 「美咲華たんのパンツの柄は何ですか!?ハァハァハァ」 バッコーン!!!! 質問は一気に押し寄せてやって来た。特に多かったのはやはり打ち止めの『運命の人』発言で、それに関するものが多かった。 ちなみに最後の発言と効果音は、とある男子が発言し、女子にボコボコにされた音である(特にツインテールの女の子が目立っていた)。 「えっとね、あの人は学園都市で一番強くて、カッコいいの!!ちなみに年上!!ってミサカはミサカは即答してみる!!」 ちなみにこの発言を聞いた一方通行は、小学校の床で悶えていた。 「コイツ本当に変わったな……」 皆上条の言葉に同意せざるえなかった。
https://w.atwiki.jp/deruta_sanbaka/pages/43.html
対戦まであと10日(金曜日)・・・ 上条「それじゃあ作戦会議を終了する」 土御門「今日は練習はなしだにゃー」 白雪「え、いいの?」 黄泉川「たまには休むのもいいことじゃん、ゆっくり休むじゃん」 美琴「じゃあ当麻、帰って遊ぼ♪」 上条「いや、ちょっと待ってくれ」 美琴「何?」 上条「土御門が話があるんだってさ」 土御門「そうだにゃー、いきなりで悪いが、みんなはプロ野球はどこの球団のファンだ?」 上条「え、俺は横浜かな、やっぱり地元だし」 美琴「私もねぇー、育ちは学園都市でも生まれは神奈川だし」 青ピ「ワイは阪神やでー、大阪といえば阪神やなやっぱり」 作者「いやいや、大阪といえばオリックスだろ」 全員「「「「「「「「「何で作者が出てくるんだー!?」」」」」」」」」 作者「オリキャラ禁止だったから苦肉の策で、まあ別にみんなと歳変わらないかいいんじゃね?」 茜川「え、そうなの?今何歳?」 作者「15だよ」 真昼「うわ、確かに近いな」 作者「てことで、たまに俺出てくるから。これはオリキャラ使えないからそのための苦肉の策だから、ついでに試合の解説も俺も出ることになったから」 一通「それはどォでもイィ、それよりなンでオリックスなンだ」 姫神「確かに、それは気になる。」 作者「これは俺の出身地が河内だからな、阪神より近鉄の方がよく使うんだ」 上条「それだけ!?」 作者「いや、これだけじゃない、昔は家から歩いていける距離に藤井寺球場があったから、それで近鉄、合併してオリックスってこと」 美琴「ふーん」 作者「ついでに、好きな鉄道会社は近鉄、南海、阪急、京阪、嫌いなのは阪神、西鉄、国鉄だ」 (これはリアルで近鉄奈良線で阪神車に遭うとスルーして次の電車待ちをします) 作者「まあ俺の話はこれくらいにして、他はどこのファン?」 土御門「俺は日本ハムだにゃー」 白雪「私もー」 真夜「うちは全員巨人ファンだな」 真昼「まあ今シーズンは今のところ最低だけど」 茜川「私はヤクルト派よ、前に一回見た東京音頭の傘踊りが目に焼き付いちゃって」 打ち止め「あれならyoputubeでみたことあるよ。ってミサカはミサカは思い出してみたり!ちなみにミサカは横浜ファンだよってミサカはミサカは補足してみる」 一通「俺はロッテだァ、清田と的場が好きだなァ」 白井「わたくしは広島ファンですの」 削板「俺は西武だな、中村の根性に感動した」 浜面「俺は中日」 垣根「おれは楽天だな」 という事でまとめ 中日 浜面、佐天 ヤクルト 吹寄、紫木 巨人 井ノ原ツインズ、翔太 阪神 郭、青ピ、半蔵 広島 海原、黒子 横浜DeNA 当麻、美琴、全妹達 ソフトバンク 麦野、初春 日本ハム 土御門、白雪 西武 削板、黄泉川 オリックス 絹旗、作者 楽天 垣根、結標 ロッテ 一通、災誤 (これは作者が適当に決めた結果です) その日の放課後・・・ 美琴「今日も泊まっていいわよね」 当麻「ああ、むしろ泊まっていってください」 白雪「じゃあ今晩遊びに行くねー」 土御門「わかったぜい」 白井「お姉さま、またですの?」 美琴「黒子、それじゃあいつも通り寮監に伝えといて」 黒子「了解ですの」 今日も夜は更けていく・・・ あと9日・・・